自作ラズパイゼロケースを3Dプリンター用にモデリング【FreeCAD】
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3Dプリンターで印刷して使用できるような、Raspberry Pi Zero(ラズパイゼロ)のケース
(実際には基板の上にかぶせるものなので、カバー)を設計してみます。
オープンソースの3D CADソフトの Free CAD を使ってモデリングします。
下記記事で取り扱っている基本的なツールのみで作成できます。
>> 【初心者向け】FreeCADの基本的な使い方と手順の流れ
ステップ1. 全体像の作成
a. 最初の準備
- ソフト起動後、"新規作成"を選択する
- ツールバーのプルダウンメニューから"Part Design"を選択後、"タスク"タブ > "ボディーを作成"を選択し、"スケッチを作成”を選択する
- "XY_Plane001(ベース平面)"を選択し、"OK"をクリックする
b. スケッチの作成
- 角丸長方形ツール > 角丸長方形を作成する
- 円弧や円を拘束するツール > 角丸長方形の円弧(四隅)を半径4.5 mm に設定する
- 垂直距離拘束ツール > 角丸長方形の高さを 34 mm に設定する
- 水平距離拘束ツール > 角丸長方形の横幅を 70 mm に設定する
- 一致拘束ツール > 原点と角丸長方形の右下(外側)の点を重ねる
c. スケッチの3D化
- コンボビューの"閉じる"をクリックする
- "Sketch"選択状態で パッドツール > 長さ8 mmに設定する
ステップ2. 内部空間の切り抜き
a. スケッチの作成
- 立体の上面を選択後、"スケッチを作成"をクリックする
- 外部ジオメトリーツール > モデル上の角丸長方形の左辺、上辺、円弧4つを選択する
- 角丸長方形ツール > モデル上面に角丸長方形作成する
- 円弧や円を拘束するツール > 角丸長方形の円弧(四隅)を半径3.5 mmに設定する
- 一致拘束ツール > 作成した角丸長方形の円弧(四隅)の中心点を、ステップ1で作成したものと一致させる(Fig.10)
- 一致拘束ツール > 1.5と対角の円弧も同様に拘束する
b. スケッチの3D化
- コンボビューの"閉じる"をクリックする
- "Sketch001"選択状態で ポケットツール > 長さ6.5 mmに設定する
ステップ3. コネクタ端子部の切り抜き
a. スケッチの作成
- 立体の上面を選択後、"スケッチを作成"をクリックする
- 外部ジオメトリーツール > 内側の丸角長方形の右辺1つ、下辺1つ選択する
- 長方形の作成ツール > 2本の平行線上をクリックして、右辺に1つ、下辺に2つの長方形を作成
("オブジェクト上の点拘束"を付与しながら図形作成) - 水平距離拘束ツール > 左下の長方形の上辺を24.6 mm、右下の長方形の上辺を14 mmに設定する
- 水平距離拘束ツール > 左下の長方形の右側頂点からケース右側内壁点までの距離を35.4 mm、右下の長方形の右側頂点からケース右側内壁点までの距離を5.9 mmに設定する
- 垂直距離拘束ツール > 右側の長方形の高さを14 mmに設定する
- 垂直距離拘束ツール > 右側の長方形の下側頂点からケース下側内壁点までの距離を10.4 mmに設定
※Fig.12の14mmは間違い
b. スケッチの3D化
- コンボビューの"閉じる"をクリックする
- "Sketch002"選択状態で ポケットツール > 長さ6.5 mmに設定する
ステップ4. スペーサーの作成
a. スケッチの作成
- 立体の内側底面を選択後、"スケッチを作成"をクリックする
- 円を作成ツール > ケース内側に4つの円を作成する
- 等値拘束ツール > 右上・右下・左下の円3つのサイズを右上の円と同じサイズにする
- 円弧や円束するツール > 左上の円の直径を5 mmに設定する
- 水平拘束ツール > 上側の円2つが水平に、下側の円2つも水平になるように設定する
- 垂直拘束ツール > 左側の円2つが垂垂に、右側の円2つも垂直になるように設定する
- 水平距離拘束ツールと 垂直距離拘束ツール > 円2つの中心点の距離を指定する(水平距離を58 mm 、垂直距離: 23 mm)
- 水平距離拘束ツールと 垂直距離拘束ツール > 原点から右下の円の中心点距離を設定する(水平距離:5.5 mm、垂直距離: 5.5mm)
b. スケッチの3D化
- コンボビューの"閉じる"をクリックする
- "Sketch003"選択状態で パッドツール > 長さ3 mmに設定する
ステップ5. 穴の作成
a. スケッチの作成
- 立体のケース裏面を選択後、"スケッチを作成"をクリックする
- 視点を"上図面"にする
- 外部ジオメトリーツール > 円4つを選択する
- 視点を"底面"に戻す
- 円を作成ツール > 1-3で追加した外部ジオメトリーの円と中心点が一致するように小さい円4つを作成する(一致拘束を付与しながら図形作成)
- 等値拘束ツール > 右上・右下・左下の小さい円3つのサイズを右上の小さい円と同じサイズにする
- 円弧や円を拘束するツール > 左上の円を直径2.5 mmに設定する
※ FDM方式3Dプリンターで出力する場合、大きめに設定すると良さそう(Fig.1では2.8 mmにしている)
b. スケッチの3D化
- コンボビューの"閉じる"をクリックする
- Sketch004"選択状態で ポケット ツール > 長さ4.5 mmに設定する
ステップ6. GPIOピン部分の切り抜き
a. スケッチの作成
- 立体のケース内側底面を選択後、"スケッチを作成"をクリックする
- 外部ジオメトリーツール > ケース上側の内壁と上側の円(外側)2つを選択
- 長方形を作成ツール > 上辺が外部ジオメトリーの線と重なるよう長方形を作成する
- 垂直距離拘束ツール > 長方形の高さを7.5 mmに設定する
- 水平距離拘束ツール > 長方形の左下(or右下)頂点から外部ジオメトリーの円までの距離を2.5 mmに設定する
b. スケッチの3D化
- コンボビューの"閉じる"をクリックする
- "Sketch005"選択状態で パッドツール > 長さ1.5 mmに設定する
最後に
Figure 27が実際に3Dプリンターで印刷し、ラズパイゼロにかぶせてみたケース(カバー)になります。
穴の大きさを$\phi$ 25mmで印刷しましたが、M2.5ネジが入らなかったので、
ルーターで穴を大きくしました。
このようなことがあって、穴を大きくして$\phi$ 28 mmにすることをオススメします。